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クロコダイル・ハンター エイに刺され死亡 (エイのトゲと毒)

2006/09/07

当サイト内 関連記事 : 「クロコダイル・ハンター エイに刺されて死亡」
  1. 事故のあらまし
  2. エイの攻撃について
  3. エイのトゲと毒
  4. おまけ的考察
  5. 続報
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  では エイはどのようにして攻撃するのでしょうか? 先に述べたようにエイの口は腹側にあるのでサメのように噛み付いてくることは 物理的にも難しいでしょう。 実はエイは長い尻尾を振り回すことによって攻撃してきます。 攻撃するというよりは うるさい相手を振り払うといった表現のほうが正しいでしょう。

  エイの尻尾は種類によって違いますが体の長さと同じくらいからその倍以上まであります。 トビエイ科のエイは一般にこの尻尾が長いようです。 アカエイ科、トビエイ科のエイのほとんどが その尻尾の部分にトゲを持っています。 と書くと一部の方は 尻尾の先がトゲで これがアーウィン氏の胸に刺さったと勘違いされると思いますが、それは 漫画の読みすぎです。 

ダイバーや釣り師のなかでは’エイがトゲをもっていることは比較的知られた話なのですが、意外と正確な位置を知っている人は少ないようです。 トゲは尻尾の付け根に近い部分にあります。 ほとんど付け根と言っていいものから尻尾の真ん中ちかく尻尾よりまで 種類によっていろいろありますが、このトゲは背びれの変化したもので、尻尾をよく観察すると付け根からしばらくはすこし太目で、あるところから鞭のようになっているのが判るはずです。 この太め (まだボディー?の一部)から本物の(?)尻尾になるところの上側にあります。 上を向いて生えているのではなくて普段は尻尾に平行になっています。 体の直径が1m前後のマダラエイでこのトゲは20~30cm程度、太さはホワイト・ボード用のマーカーくらいです。 体の直径が30cm程度のプルー・スポッテッド・スティングレーで10~15cm、太めの鉛筆程度ってところです。

 このトゲはものすごく硬く、ちょうど銛の先端のように鋸の刃のようなギザギザした返しが両脇についた構造になっていて、刺さった後引き抜くと傷口がひどく切れるようになっています。  で、この部分に毒をもっているのですが このことは少し後で書きましょう。
 
 このトゲは非常に鋭く、ダイビング・ブーツ、ウエット・スーツなどは簡単に突き抜けるし、切り裂くことができます。 あるサイトでエイのトゲで 長靴を切り裂く実験をやっていたので面白い人もいるもんだと思っていたら、実はエイ・ガードとも呼ばれる釣り師用の足元保護用ブーツを製作しているところのサイトでした(苦笑8) それほど エイのトゲは鋭く強度もあるものだということを覚えておいてください。

  アーウィン氏は これが左胸に刺さったわけです。 CNN・Japan の報道では「貫通」ってありますけど 他の報道では「貫通」といっているところは一つもなく 多分これは 誤訳でしょう。 ただ肋骨の隙間をすり抜けて刺さったのは間違いなく、これを自力で抜いたところは (本当に抜いてよかったかどうかは別問題です。 短刀などで刺された場合でも抜くことで出血が増えるので そのまま固定させたほうがよいという見解があります) まさに クロコダイル・ハンター魂をみせつけています (合掌)

では その毒について少し。 

エイによる刺創 
Emergency Medicine 2nd Ed. Ed in chief HL May,Little, Brown and Company,Boston,1992Dee Hodge III,83 Dangerous Marine Bites, Stings, and Ingestions, pp932  より要約
  北米で年間750件の発生がある。あさい海底に生息し、砂などの中に身を潜めている 。知らずに踏みつけてしまったときに、反射的に尾を突き立てるために尾の先、背側 にあるノコギリ状の針で刺される。毒は針の外被にある分泌細胞で作られる。
  
  刺されるとこの外被が破れ毒が放出される。 毒素の成分は少なくとも15種類あ り serotonin,5-nucleotidase,phosphodiesterase が含まれ、熱には不安定である。生理作用として、呼吸中枢 を抑制し、心伝達系を障害し、強い疼痛を起こす。臨床的には、創は3.5~15cm の裂創で針の外被が残存することがある。 疼痛は90分ほどでピー クに達し、悪心嘔吐、下痢、不安感、脱力感、失神を起こし患肢の筋肉の筋攣縮を起こす。 全身痙攣、低血圧、不整脈から死に至ることがある。 
 
  現場での初期治療は、冷たい食塩水(あれば清潔な生理食塩水)で創を洗浄する。止血は圧迫止血 。医療施設では、創内に残存する針の外被を除去しデブリドマン(註)を 行なう。 患肢は温水(38℃~46℃)に30分から90分浸ける。 疼痛にはmeperidine (メペリジン:麻薬鎮痛剤)、破傷風の予防処置、二次感染に対する予防的抗生剤投与を推奨している。 

(註) デブリードマン:Debridement)は、感染、壊死組織を除去し創を清浄化することで他の組織への影響を防ぐ外科処置のこと。略して「デブリ」、あるいはデブリードメントとも呼ばれる。感染、壊死組織は正常な肉芽組織の成長の妨げとなるため、デブリードマンは創傷外科治癒の原則である



  一般的に言って 魚の背びれにある(先にも触れたとおり、エイのトゲも背びれの変化したもの) 毒は どうもタンパク質系の毒が多いようだ。 これらタンパク質系の毒素は 熱分解するので暖めることによって 痛みがやわらぐのだ。 熱分解が目的であるから熱ければ熱いほどその効果はあうのだろうが、それで火傷をするようではなんにもならないから、がまんできるぎりぎりの熱さにがまんできるだけつけておくのがよい。 その意味で70℃くらいと言う人もいるが、だいたい緊急現場に温度計などないであろから温度を細かく言ってもはじまらない。 

  水中でこれらの毒をもつ魚に刺された場合には、即座に患部周辺を圧迫して可能な限りの血を出すことで少しでも毒素を排出できるようだ。 その後、浮上して上記の熱分解作戦を実施するまでは ひたすらに患部圧迫を続けること。 海龍自身も過去に数度不注意により刺されたことがある。 またうちの家内を含め周辺でも何度かあるが、このような即刻の手当てをした場合としなかった場合ではその後の痛み、回復具合がかなり異なっていた。 (映画などで よく口で吸うシーンがあるが、あれは虫歯があるとそこから毒が入るそうで止めておいたほうがよいそうだ)

  これらの即刻の処置をおこたるとものすご~く痛い。 本当に自分で呼吸がおかしくなるのが判る。実際に亡くなるケースはショック死が多いそうだ。 上記の熱分解作戦の熱さの一つの目安として 海龍自身の経験からのお勧めは 「痛い」のか【熱い」のか判らない・・・ どちらかと言えば「熱い」のが勝っているくらい、と言ったところか。

  エイを観賞魚として飼育している方もいらっしゃいます。 こういう方たちは水槽のメンテでダイバー以上にエイに刺される可能性があり こちらのページでは筆者さんの経験に基づき かなり細かな対応方法がかかれていますので参考にできます。



当サイト内 関連記事 : 「クロコダイル・ハンター エイに刺されて死亡」
  1. 事故のあらまし
  2. エイの攻撃について
  3. エイのトゲと毒
  4. おまけ的考察
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[2006/09/07 記]  

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