海龍のつぶやき - Mumbles by the SeaDragon -

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マラトゥアで流された....

2006/08/03

カリマンタン北部の東マレーシアとの国境に近いマラトゥア島での出来事です。

  この島は馬蹄形をした大きな島で周囲はメナードばりのドロップオフとなっており、このドロップオフもなかなかのポイントなのですが、馬蹄形の開口部にあたるところの一部が、上部には数千匹のバラクーダが渦を巻き、ドロップにそって最低5種類の(5匹ではない)鮫が狂ったように舞い、其の向こうをイーグルレイが飛んでいき、60cm級のカスミアジの一団が行く手を横切るといった、全てのダイバーが夢見るようなポイントとなっているのです。 ただし、ただしです。 このポイントは一日(昼間)に1回だけ、ある時間帯のみがこのような夢のポイントなのです。

  感の良い人は、もうお判りですよね。 潮の問題です。干潮から満潮にむかう際の流れのピーク時に先の大スペクタクルが展開されるのです。 この時の流れは、馬蹄形の外部から馬蹄形の内部にむかって、丁度、逆リップカレント状態で激流となります。 馬蹄形開口部の流れの中心にあたる部分は、この激流の為、珊瑚も岩も全くないツンツルテンの状態となっているほどです。 

   コースとしては、この開口部のかなり手前の浅場からエントリーし、開口部にむかう流れを2段になっている棚を横切ってドロップオフのエッジ(水深約25m)まで移動。 そこで、岩にしがみついて、大スペクタクルを堪能しつつ、移動し開口部を一気に横断し反対側の根の裏の流れが緩まるところまで匍匐前進してエクジットというもので、1回のダイビングでグローブに穴があくこと確実というもの。  ガイドの大物出現を知らせるカーン、カーン、カーンというナイフでタンクをたたく音がとぎれない。 其の都度、あっちむいてホイ式に頭を巡らせると、激流でマスクが飛びそうになる。 其のマスクを手で押えに行くと、体が流される。という中性浮力もへったくれもない大忙しのダイビング。

  さて、この日はガイドを含め一行8名。 この中に経験10数本というY君がいました。アドバンスの講習も終わり、若さと勘の良さからめきめきと普通の人の倍以上の早さで急速に腕をあげているところです。 Y君、普段は潜降に何の問題も無かったのですが、この時に限り潜降が遅れたんです。 水深5mくらいの浅場でいっきの潜り、そこから底を這って急いで移動がここでのダイビングのポイント。  Y君の潜降を待っている間に、他の6名は、あっと言う間に視界の外へ。 潜降してきたY君をともなって、エッジを目指すのですが、Y君の潜降問題は耳抜きだった様子で、底から手を放して鼻を摘まむたびに、ドーッと流されるで、エッジに到着する前に、例の馬蹄形開口部中央まで流されてしまいました。 と、目の前を1m近いロウニンアジが4匹くるくるっと横切るではありませんか! おっと、思った瞬間、掴んでいた岩から手がはずれ見事に大激流に捕まってしまいました。 見るとY君も流れに捕まっています。(Y君からはこのロウニンアジは見えなかったそうで、当方の動きで何かいるぞ、と覗こうと思った瞬間に流れに捕まってしまったそうです)

  さあ、これからが大変です。体の向きを変えるのも大変なぐらいの大激流。Y君との間は3mぐらい。なんとか2人の間を近づけようとするのですが、流されるスピードをどうやっても制御できません。 途中から、流れを横切ることは放棄して、馬蹄形の中に入っちゃえば、流れも多少は緩まるだろうと深度12ー3mを流され続けたのですが、ところがどっこい全然緩まらない! どこに流されているのかも判らないので、浮上して確認しようとY君に合図を送って浮上。 と見ると、既にかなり馬蹄形の中まで流されています。 ふと左をみると50mくらい先に先行グループの一員の香港のベテランAさんがやはり流されてフロートシグナルを立てています。 どうもAさん、浮いているんじゃなくて、浅瀬に立っている様子。 あそこまで行けばこれ以上流されずにすみそうだと移動を開始したのですが、そっちの方向に進めない。 悪戦苦闘して、何とか背の立つ水深まで移動したのですが、流れでちゃんと立てない(まだ十分深い?) Y君はと見ると、右手30mに浮上。 手を振って合図したけど返答がない。 BCDに空気を入れ、浮力を確保しているところを見るとパニックにはなっておらず、ただあきらめて流されるに任せているだけの様子。(それでいいんだ、それで、無駄な体力はつかうなよ)

  Aさんのグループは30分は先行していたから、当然ボートもAさんグループが先に捜しに来るはず。 Aさんにこっちも流されていることを知らせなくてはと思うのですが、Aさんかなりの時間そこにいるらしく、開口部の方から顔を動かさないし、幾ら呼んでも聞こえないらしい。 仕方がないので、1.5mの砂地を再び潜降して、匍匐前進してAさんにアプローチ。 Aさんの10m手前で浮上して声をかけるとなんだお前もか!ひとりでさびしかったんだと急にニコニコ。 Y君は遥か遠くに点のように見えている。さすがに、其の辺りでは流れは緩まっているらしく、それ以上に小さくはならない。 そこで待つこと10数分。(Aさんは既に30分ぐらい待っていたらしい)待望のAさんグループのボートが出現。 もっと先に流されているダイバーがいるのでそちらを先に救助するよう伝えてY君を無事ピックアップ。

  ボートのキャプテンもびっくりするぐらい馬蹄形の内部まで流されていました。(本来の予定浮上位置から3km以上離れていた) 当のY君は、いやーすごい流れでしたネー!と元気そのもの。 ブリーフィングで地形の説明を受けていたので、このまま流され続けても所詮馬蹄形の内部と全然心配しなかったそうです。  浮上位置がかなり離れたのは、やっぱり安全停止をするのかなーとまじめにトライしようとしたからの様子。 浮上後に送った合図、BCDに空気いれろと叫んだのには気が付かなかったとのこと。  一人でよく、冷静に教わった通りにやってくれたものだと、自分の元生徒ながら誇らしく思えます。 それにしても、ほんとにY君でよかった。Y君はその後、多少のことには全く動じないダイバーに成長しました。 (Y君曰く、初めからあんなこと体験しちゃったら、大概のことはめじゃないですよ!



・・・ club SeaDragon 旧サイトより 移転



[2006/08/03 記]  

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