海龍のつぶやき - Mumbles by the SeaDragon -

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アンボン遠征 (その 8) 番外編 アンボン状況  

2006/11/04

  さて ここでは 現在のアンボンの状況 (2006年10月現在) について少しレポートしておきましょう。  



  1998年はインドネシアにとって大激動の年でした。 前年の7月から始まったアジアの通貨危機の中で インドネシア・ルピアは最大瞬間風速で対US$ 20000 近くまで (約1/5)という大暴落を遂げました。 このため物価の急激な上昇を招き、1998年に入ってからは各地で学生を主体とする大規模なデモが発生し、有名なトリサクティ事件やスマンギ事件が発生し、4月の華人街の大規模な焼き討ち・暴動事件が発生し、外国人・富裕者層の国外脱出があいつぎ、5月には30年続いたスハルト政権が倒れました。

 スハルト政権はイスラム勢力が政治的勢力になることを極度に恐れていた為、特にイスラム急進派に対してはかなり強圧な弾圧を行っていました。 スハルト政権が倒れたことにより、誤った民主主義の考え方(= やりたいことは 何をやってもいい)の大衆への浸透とともに、イスラム急進派が動き出し、11月ごろからはジャカルタでも教会襲撃事件が相次いでいました。

 そんな中で、1999年の1月、ほんのささいなことから アンボンでイスラム教徒とキリスト教徒の紛争がおき、この騒ぎは 収まるどころか次第にエスカレートし インドネシアのユーゴとも呼ぶべき、イスラム教徒とキリスト教徒の大紛争にまで発展したのです。 この辺の詳細はこちらのWeb に詳しいので参照ください。
 
   2002年には政府の介入で両派の手打ちが行われ、3年間に渡る紛争は取り合えず終了したのですが、ちょっとした小競り合いはその後も時々あったようで、多くの人たちにとってアンボンは依然として危険地帯でありました。 現在でも日本国外務省では「渡航延期 勧告」がでたままの状態です。

 当然 内外の観光客の足は遠のき、例の Ambon Dive Center も閉店に追い込まれたのであります。 手打ちから4年、現在のアンボンはどうかというと 表面上 我々の目にはいたって普通のインドネシアの地方都市と村落にみえます。 ただ、やたらと新築とおぼしき民家、再塗装した建物が目につきます。 地元出身の運転手さんに聞いたところでは全て、騒乱時期に焼かれて最近やっと立て直したもののようです。 アンボン市内には壁に銃弾の後がのこっている建物も散見できました。

 本来のアンボン人は ポリネシア系とマラユ系の混血で、一般インドネシア人に比べて浅黒く、彫りも少し深く、どちらかというと太平洋の島々でみかける人たちに近い顔立ちなので、外見上すぐに判別できます。 これらアンボン人の大半がキリスト教徒です。 一方 スラウェシ・フローレンス諸島あたりから移住してきた人たちが主にイスラム教徒です。 紛争前はこれらが 適当に混ざり合って生活していたそうです。 勿論、大半がキリスト教徒の村とかイスラム教徒の村もあったそうですが、かなりの場所では混ざっていたそうです。

 現在は政府の指導もあり、村ごとに完全に分離させられ、キリスト教徒はキリスト教徒だけの村に イスラム教徒はイスラム教徒だけの村というように住み分けられているとのこと。 この為、昔からの居住地を移転させられた人々も結構いるそうで、それが新築民家が多くみられる一つの理由でもありそうです。

  我々が訪れたキリスト教徒の村では、ほぼ全焼させられたそうで、未だに焼け落ちた家屋の土台の上に掘っ立て小屋を築いているもの、新築したのはいいが、資金不足で窓にガラスが入れられない家などが多くみられました。 もちろん 映画の市街戦などでみられる壁だけが残った民家なども道路そいにいまだに散見できます。

 現地の人たちは、異宗教間での対立ではなく、外部の者たちに煽動された結果だと口々に言っていました。 確かにスハルト政権下ではそれなりにうまくやってきていたものが、突然の大紛争なのですから・・・

 現地の人たちは 観光客が戻ってくるのをひたすらに祈っているようですが、一部都市部の人間達は 状況も省みずぶっ掛け価格を言ってくるので これでは観光客が戻ってくる道のりはながいでしょうねぇ・・・


 それはそうと アンボンはマグロ漁船の立ち寄り港でもあります。 海龍亭一行が海軍基地の横をとおりすぎたときに台湾国籍の2隻の大型漁船が 軍艦に挟まれて停船していました。 不法漁業で海軍に捕捉されたのだそうです。


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